大阪都構想シリーズ1
「大阪都構想(政令指定都市の大阪市廃止)の賛否を問う「住民投票」(11月1日投開票)」があるというニュースを見て、渦中である自民党と大阪維新の会にインタビューを申し込んでみた。
残念ながら新型コロナウイルスの影響もあり、大阪維新の会にインタビューは叶わなかったが、大阪市会議員の北野たえこ先生に話しを伺うことが出来た。
まつりちゃん:早速ですが、大阪の都構想についてどういったものかを教えてください。
北野たえこ先生(以下、北野氏):大阪の都構想とは大阪市を対象にして4つの特別区に分割する都市制度の変更ということです。
なかなかそれが上手く伝わらないのですが、大阪市の中に4つの区を作るみたいな、ある意味、合区であったりとかそういったイメージをしている方が結構いらしゃっいます。そうではなくて、大阪市が4つバラバラの自治体になってしまうんだということをイメージ出来ない方が結構いらっしゃるんですよ。
大阪市が4つの自治体になるということは、大阪市は無くなります。
大阪市が廃止されたら大阪市に戻す法律がないのでもう戻すことはできません。
そういったことが中々理解され辛い都市制度の変更であると思います。
大阪市が廃止されることにより4人の特別区長、4つの特別区議会が誕生し、大阪市長が居なくなりますので今までの2重行政が解消できます。
この制度を恒久的に担保していくためという理由で大阪市を無くそうと言うことです。
今日の演説で申し上げましたように、大阪市は大阪府に内包されていますので、大阪市民は大阪府民なんです。府税も納めています。
ですが、いろんな意味で、大阪市民のものは大阪府民のものではないんです。資産もそうですし。そのことを誤解する方がいらっしゃいます。
例えば港や研究所、大学、病院もそうです。いろんなものがすでに府に管理下にあり、それが2重行政を解消してきました、
これがバーチャル都構想なんですけど、今の状態でもまだ大阪市があるじゃないかということで、今回も特別区設置協定書を作ったという経緯なんです。
まつりちゃん:実際に大阪市民から見て「都」になるメリットについて教えてください。
北野氏:まず「都」にはなりません。「都」という名称は使えないんですね。これは大きなデメリットだと思います。
メリットがもしあるとするなら、変えたとするイメージだと思います。
改革をするのが今の保守だという大阪維新の会(以下、維新)の主張があるのですが、我々、自民党としては変えることが保守というイメージはいつからだろうと考えたら、やはり小泉さんあたりの頃からかなと思います。いわゆる臣従主義がはびこり、「変えなければ」「変革こそ保守がすべきだ」という風潮があり、私達は守旧派のような感じなってしまって悩みでもあります。
まつりちゃん:今日の街頭演説を聞いてる際に、都構想によって何が変わるのかという質問を私自身が受けました。
北野氏:そうなんですよね。まず、政党とか政治とかもっと言えば、政局に関係ないと何度も申し上げてきました。
やはり政局に持ち込もうとしているのが維新の方々のやりかたです。
例えば、「菅総理が誕生されたことについてどう受け止めてますか?」とか「今回、公明党の山口代表が来られてどうですか?」
と聞かれても関係ありませんと言うしかないんです。大阪市民の暮らしが変わる住人投票ですと。
政令指定都市として、都市の格で言えば上位にいるのに、市町村が持っている徴税の権利が都構想によって無くなってしまということです。現在7つある税項目がタバコ税、軽自動車税、住民・市民税のみになります。なので、高級車に乗っている方に「軽自動車に乗り換えてください」、タバコをやめた方に「また始めてください」と冗談で言っています(笑)
そのくらい、自主財源がもらえなくなります。
特別区というと税項目が東京と一緒ですが、東京の場合は相対規模が大きいのこと、また、港区など住民税が高いので自立していますが、大阪の4つの特別区全部が自立していません。自主財源ではやっていけません。
では、どうやって運営していくのかいうと「財政調整」ということをします。
今まで、市税として使えたものについて一旦、府の管理下になります。それに地方交付税も含めて約7:3の割合で特別区と府で分け合います。
東京の場合は55:45ですが、大阪の場合は78:22です。大阪市は割合が多いじゃないかとなりますが全然事情が違います。
それでも全然足りないくらいです。
まつりちゃん: 聞けば聞くほど、どうして都構想を推し進めたいのか、都構想に対するメリットが一般市民に届いていないように思います。
北野氏:私達も法定協議会に臨む際、大阪府連の方で賛成に転じた方がいいのではという議論があったり公開討論までして、反対まで道のりが遠かったです。でも、やはりどう考えても市民が損をすることがわかっています。しかし、今でも賛成している府議の方はいらっしゃいます。市域外からしたら、もしかしたら市の税金が廻ってくるかもしれないということで、さんざんな目に遭いました。今でも言われます。
言っておかなければいけないのは、都構想にかかるランニングコストを15年間積算したら4340億円というとんでもない金額がかかることがわかりました。これに対する財源の用意がないんです。予算が確保されていない、国から合併特例債のような援助がありません。国会でも地域制度調査会でもやめた方がいいと言われるぐらいお金がかかます。税金の使い途としては壮大すぎて逆に気付かれないという不思議な構造を持っているのが、この都構想の隠された真実なんです。